Feel Japan by Bike 自転車で散歩…

1996年2月27日 スコールのち晴れ (後編)

眠ったのか眠っていないのかわからないほど曖昧な一晩が過ぎる。

朝からずっと待ち続け、結果的に15時半の電話をもらってからはしばらく呆然としながらビーチ、マタハリ、レギャン通りをさまよう。

気づいたときにはポピーズ2レーンにいる。

 

昨日のお昼以来食べていないのに気づき何か食べようとレストランのメニューを見ていると、朝迎えを待ってる時にも何度も何度も同じ道を往復している日本人を再び見つける。

単純に何をしているのか不思議であったのと、とにかく誰か日本人と話をしたかったので声をかけてレストランに入る。

極度の方向音痴で、ただ単に道に迷っていただけであったらしい。

オーストラリアのワーホリを終えてバリに来たらしく、オーストラリアの話をする。

そして、今自分が陥っている状況を簡単に話す。すると、隣のテーブルで聞いていた日本人も加わる。

途中から話が聞こえ、非常に興味深いので聞かせて欲しいという。

昨日の昼からの出来事を一通り話し夜も更けてきたので散会する。

 

自分はY君(道に迷っていた彼)のロスメンへ行く。途中参加のG君は自分のロスメンへと戻る。

Y君のロスメンへ行き、更に詳細を話し、今の気持ちを吐露し今後はどうするのがベストか相談してみる。

Y君はギャンブルが好きなのでこの話を聞いたときに、

「普通は一度もバーストしない時点でおかしいと思うものなのだけどなぁ・・・。」

と訝しむ。

とはいえもう起こってしまったこと、もう一度勝負して元金だけは取り戻すのがベストの選択ではないかという結果に落ち着く。

そして、ずっと心に引っかかっている

”自分がずるい勝負でリー=コイをだましてしまった”

ことへの罪悪感にも気を遣ってくれたのか

「はじめから利益を取ろうとして騙したわけではないのだから仕方がなかったのではないかと自分は思うし、自分もそうしたと思う。」

と言ってくれ、気持ちが少し楽になる。

 

もう一度勝負することは、何か自分でもしっくり来ない、割り切れない思いが募るが他に良い案が思い浮かぶわけでもなく、結局それしかないのだと自分に言い聞かせる。

とにかくミスをせず勝つこと。

彼によれば75%は勝てる見込みがあるだろうが、自分ばかりか、リー=コイもバーストしないというのは何だか違和感を覚えるとしきりに気にかける。

 

自分としては本当はもうこれ以上やりたくない。

忘れたい。

時計の針をダーウィンを経つ前に戻したい。

 

本当にこれしか方法はないのだろうか・・・。

 

今晩は疲れ切ってこのままY君のいるこのSuka Beach Innに泊まる。