Feel Japan by Bike 自転車で散歩…

2000年1月5日 晴れ

昨夜の安心が一転する結果となる。

 

自分には珍しく予定より早い7時半前に出発する。

舗装もほとんど剥がれ、かえって舗装されていない方が速く進める。

 

9kmほど進んだ所で渡るはずのないセネガル川に架かる大きな橋に出る。

 

撤収地からここまで右に折れる道には気づかなかったから、とりあえずセネガル川を渡り、道がないか暫く辺りを確認する。

反対側から来たロバ車の人に聞いてみると、マイナ(Mahia)へ行くのなら橋の手前で右折だと言う。

そんな分岐なかったけどな・・・と思いながら橋を渡り直して戻る。

ロバ車の彼に示されたその道は、確かに道らしきものはあったけれど、本線から不自然に分岐し、しかもロバ車でも無理なほどの急な坂で本線から下っている。

土手を下るような感じ。

 

これが本当にマイナへ行く道なのかと聞くと

「そうだ。」

と言う。

 

しかし、他に分岐も見当たらなかったのでとりあえず行ってみることにする。

暫く自転車の轍がある道を進むけれど、次第にその道も獣道のような様相を呈してくる。

濃い樹林帯の中を進む。

棘のある植物や、バオバブの木、観賞には堪えられない植物が生い茂る、ちょっとしたジャングルのような中を曲がりながら進む。

方向感覚もなくなる。

 

不気味なほど静か。

 

声の悪い鳥が、靄がかかったように煙る景色の中でギャァギャァ鳴き、一層不安感を高める。

シンドバッドの冒険の世界のよう。

 

その内、頼りの自転車の轍も川へ向かい、船着き場で途切れる。

その船着き場も、もうかなり使われていなさそうな感じ。

 

川岸からMOBして進むけれど、藪の中で迷っては戻り、どうにか2~3ヶ月前に付けられたらしき足跡を1つだけ見つけ、それを頼りに進む。

 

幅の狭い、U字の枯れ川の沢をいくつも越える。

これは下るのも上るのも大変。

そして誰にも会わない。

 

道は、幅が30cmほどの心細い砂の獣道。

 

倒木が道を塞ぎ、その脇に石がゴロゴロしている所を抜けた所でパンクする。

調べてみると10ヶ所以上棘が刺さっている。

その内の1つが致命傷になったらしく、フレンチバルブのチューブを使う。

 

そこから更に1kmほど進むけれど、頼りの足跡が定かではなくなって来て、その先にまた涸れ沢が見える。

この道が本当にマイナにリンクしているのか大いに不安になる。

確証もない。

地図にも載っていない道。

地図にはただの樹林帯しか記載がない。

 

人っ子一人会わないので、遂に13km進んだところでMOBする。

 

この時点で、鉄道でキータ(Kita)まで行き、ブルキナファソ・ルートを選択することにする。

 

3時間ほどこのセネガル川沿いの不気味な樹林帯を彷徨したけれど、結局出会った生物は猿の群れだけ。

 

結局昼頃に昨夜寝たブッシュキャンプ地に戻る。

そこで休んでいるとマリ人が来て、バフラベ(Bafoulabe)へ行く道は、このブッシュキャンプ地点から2~3km地点だと言い、一緒に行ってくれる。

見れば、7割ほど錆びてはげ落ちたロードサインがあり、辛うじて’Bafoulabe’と読めるものが立っている。

 

気を取り直してその道へ右折し進むけれど、すぐにXTEを起こす。

時間も正午を過ぎ焦る。

水もない。

タイヤが砂に埋もれ通常の倍以上の負荷がかかる。

何度もXTEする。

 

自分でも泥沼にはまりつつあることに気づく。

 

樹林帯で行き詰まって引き返した際、”鉄道を使ってブルキナファソ・ルートにする”と一度決めてしまった後だけに、再挑戦しても前進の精神の糸を繋ぐことが30kmのMOBの落胆と重なって、どうしてもできない。

 

長距離のダートや1,000mを越える峠のアタックを控えている時は、前日から精神を集中させ気力を覚悟で乗り切るのだけれど、その繊細な気力も30kmのMOBで瓦解。

 

2~3日ディアムー(Diamou)で休んで再度アタックすれば行けるかもしれない。

でもやはり失敗したかもしれない。

今となっては分からない。

ただ、精神状態、体力、その先の行程予測からも最早無理だと経験的に察知し、キータまでは鉄道で迂回することにする。

自転車込みでXF7,000で購入する。

 

そしてその直後、白人のバンが来てバフラベまで乗せてくれると言う。

XF1,000でチケットをキャンセルする。

 

バンには既にオランダ人のサイクリストが乗せて貰っている。

彼らはディボリ(Diboli)から30km走った所でこのバンのドライバーのケビンに拾われたらしい。

 

彼らは今日セネガル/マリの国境を越えたらしく、彼らもあのボーダーでXF1,000を要求され払ったらしい。

 

バンでもスピードが出せないジャンプする道を進む。

余りの震動で途中ラジエターの蓋が飛んでいく。

ケビンも何度も道に迷いながら適当な野原を見つけ、そこで今日は銘々テントを張って寝る事になる。

 

風が強い。

 

ダートはケーズから94km走ってギブアップ。

これは勇気ある撤退か、それとも敗退か、どう取る?

いずれにしても自力で越えられなかったのは残念極まりない。

 

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Diamou Sud →→→ No position  35km    
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