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”その国を出国するのがとても寂しくなった国” 6/8国目:モロッコ王国

6ヶ国目はモロッコ王国。

王国だけれど全く王国らしく感じなかった国。

 

モロッコは、ヨーロッパの文明社会にどっぷり浸かった後に入国した国なので、都会から田舎に行くような、都落ちのような寂寥感がありました。

でもそれも束の間、すぐにモロッコの持つ魅力に取り憑かれてしまいました。

 

 

ヨーロッパと北アフリカの雰囲気が混ざり、エジプトとはまた違うエキゾチックな国。

フランスが旧宗主国なので、カフェオレやバゲットが比較的広く普及しています。

 

しかし、モロッコと言えばタジンとミントティー。

タジンはなぜもっと世界に普及しないのか不思議なくらい。

モロッコ人の家に泊まらせてもらったことがありましたが、手際よく大した味付けをしていないのにとてもおいしいタジン鍋料理をいただくことができました。

 

ミントティーは街の食堂のようなところで気軽に飲めます。

意外に店によって味のアタリ、ハズレがあります。

紅茶にミントの葉を入れているかと思ったのですが、紅茶ではなく中国茶の青茶である平水珠茶(ガンパウダー)の葉を使っているそうです。

中国では、この平水珠茶は輸出用でほとんど国内では流通していないらしい。

 

 

モロッコ南部はモロッコが領有を主張・実効支配していますが、サハラ・アラブ民主共和国も領有を主張し、またそれを承認している国も多数存在しています。

それ故、モロッコの南部を走る際には念入りに情報を収集しました。

現在でも市販されている地図では一応モロッコ領にはなっていますが、空白地帯になっているはずです。

 

実際に走ってみるとその境界線は全く感じず、従って「サハラ・アラブ民主共和国に入った」という実感もゼロ。

サハラ・アラブ民主共和国の首都はラーユーン(Laayoune)にも数日滞在しましたが、政情不安な雰囲気は全くありませんでした。

アガディール(Agadir)やタンジェ(Tanger)のように他のモロッコの一地方都市と何も変わりませんでした。

 

 

地の果てのような大西洋沿いに遙か南に伸びる広大なモロッコを、中古車を売りに過酷な西サハラをオーバーランドする欧州人にもたくさん会いました。

モロッコとモーリタニア国境は地雷埋設地帯であるため、モロッコ・モーリタニア双方で国の軍のエスコートを受けなければありません。

その10日間ほどを欧州のオーバーランダーと一緒に行動を共にしました。

自分が生きてきた世界とは全く違う世界観の人々と過ごした思い出深い国でもあります。

 

紫色に染まる夕暮れ時、

大西洋の断崖絶壁の下に僅かにできた砂浜に多数の難破船が打ち上げられ、

ただただ朽ちていくのを待つ光景は、“地の果て”という言葉がここほど似合うのは他にはないと思わせるには充分でした。