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速くなるためのヒント         

もっと速くなるためのトレーニング方法のヒントを国内外の本・雑誌・ブログ・論文などから(ほぼ)毎日紹介します。

◆高強度トレーニング前に有酸素運動能力を十分に高めておいたほうがよい理由 2012.02.17
参考文献:『コーチング・クリニック2007年11月号』P14~15・ベースボール・マガジン社
     ハンター・アレン アンドリュー・コーガン博士共著・『パワー トレーニング バイブル』・P79
     OVERLANDER株式会社

ロード・バイクのトレーニングでは、まず有酸素運動能力を十分に高めてから高強度トレーニングによって無酸素運動能力を鍛えるほうがよいといわれている。これは高い有酸素能力が、高強度のトレーニングを受け止められる強固な土台になると考えられているからだ。しかし、これはどのような仕組みによるものなのだろうか。今回は、これについて『コーチングクリニック 2007年11月号』や『パワー・トレーニング・バイブル』を参考に紹介する。

高強度のインターバルの時には、短時間で大量のエネルギーを作り出せるクレアチンリン酸(CP)という物質などが使われる。このクレアチンリン酸はごく短時間で使い切ってしまう量しか体内に貯めておけない*ので、高強度のインターバルを繰り返し行うにはクレアチンリン酸を速やかに再合成できる能力を高めておくことが重要になる。

*クレアチン・ローディングの手法を取ることでクレアチンの体内貯蔵量を高めることができる。



ここで「鍵」となるのが有酸素エネルギー代謝が行われる「ミトコンドリア」だ。

クレアチンリン酸の再合成はミトコンドリアで行われる。つまりミトコンドリアの量が多くその機能が高ければ、それだけクレアチンリン酸の再合成速度は速まると考えられる。



それではミトコンドリアを増やすにはどのようなトレーニングを行えばよいのだろうか。

ミトコンドリアは「有酸素運動」を行うことで増大することが知られている。『パワー・トレーニング・バイブル』P79の「レベル1~7の各トレーニング効果(生理的適合)」の表によると、ミトコンドリアの増大にもっとも効果があるのがL4(乳酸閾値)でその次がL3(テンポ走)、そしてLSDを含むL2(耐久走)や有酸素運動の上であるL5(VO2max)がそれに続く。残念ながらL6(無酸素運動容量)ではその効果はかなり小さくなり、L7(神経筋パワー)ではほとんど期待できない。


つまりL4を中心としたL2~L5といった有酸素運動を豊富に行うことでミトコンドリアを増大させることが、クレアチンの再合成速度を高めるのに有効と思われる。そうすれば結果として、高強度のインターバル・トレーニングを数多くこなせるようになり、L6~L7といった高強度のパワーのレベルを上げることができるだろう。



近年HIT(High Intensity Training)やHIIT(High-Intensity Interval Training)と呼ばれる、短時間・高強度で時間効率のよいトレーニング方法の研究が進んでいる。しかし、上記のような仕組みを考えると有酸素運動の土台ができていない段階でHITだけ行ってもその効果は限られる可能性があるので注意が必要だろう。

L2~L4でのトレーニングは、HITに比べると時間効率は悪いかも知れない。しかし「長い目でより強くなろう」と思った時、今後も避けては通れない重要なトレーニング・ゾーンであるといえそうだ。



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関連記事→無酸素トレーニングをする前に有酸素能力を十分に高めておかなければならない
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     ロードバイクで使うエネルギー源には3種類ある
     高強度への耐性を高めるクレアチンローディングのやり方
     クレアチンを摂取すると、短時間高強度の運動を反復するようなパフォーマンスの向上が見られる

練習直後のプロテイン摂取が回復を早めることを示す研究事例←次の記事を読む
前の記事を読む→エコノミーはLT同様に練習でかなり高めることができる


                     <本件記事の参考文献>



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