パワー・プロフィールは「成績表」・他の人との比較に使える

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『パワー・トレーニング・バイブル』を120％活用してみなさんがもっと速くなれるように、わかりやすくパワー・トレーニングについて説明します。

◆パワー・プロフィールは「成績表」・他の人との比較に使える　2011.12.03

パワー・プロフィールとは、いわばパワーの「成績表」のようなものです。5秒・1分・5分・20分・60分で出せる最高パワーをもとに、それが一体どの程度のレベルなのかを客観的に見れるようにしたひじょうに便利で画期的なツールです。これを使えば自分の強みや弱みを調べることができますが、他にもとても有効な使い方があります。

それは「他の人との体力の差を、客観的に数字で比較するのに使うこと」です。

昔は、チームで誰がいちばん速いのかを見極めるには、峠やスプリント練習などで総合的に判断するしかありませんでした。しかしどこか「何となく感」が残ってしまうことがありました。しかし、パワー・プロフィールを作ると、チームの中で誰が一番体力があるかを数字ではっきり確かめられます。

もちろんロード・レースは、体力があれば勝てるスポーツではありません。しかし山岳コースや集団スプリント勝負になる可能性の高い平坦コースなど、どれだけ高いパワー*を出せるかが勝負の決め手になりそうなレースの場合は、このデータを参考にすれば、かなり公平にみんなが納得できる形でエースを決めることができるでしょう。

*正確にはパワー・ウェイトレシオ（出せるパワーを体重で割った値）

また自分より強いチーム・メイトのパワーがわかれば「具体的にあとどれだけパワーを上げれば、その選手に追いつけるか」がわかります。目標は具体的であればあるほど達成に向けて集中しやすいので、これは大きなモチベーションになるはずです。

チーム・メイトでなくても「憧れの有名選手」でも同様です。最近では強豪選手の多くがパワー・メーターを使って練習するようになってきました。ブログでレースや練習でのパワーを公表している選手もたくさんいます。高い目標をもって「数年後には、日本のアマチュア・トップ・レベルを目指したい」という人であれば、こういった有名強豪選手のデータを目指して練習するのもよいでしょう。

実は、ツール・ド・フランスのような世界最高レベルのレースのパワー・データもインターネット上でかんたんに見ることができます（といってもそのパワーはとても出せない超人的なレベルですが・・・）。本気で「将来ツールに出たい！」と思っている若い選手であれば、最終的にそのレベルのパワーを出せるようになる必要があります。そのためには指導者と相談しながら入念にトレーニング計画を練り、実行していかなければなりません。実現するには並大抵の努力や素質では難しいでしょうが、少なくとも「目標とすべき具体的なパワー・データは公開されており明確にわかる点」は、ひじょうにありがたいことだといえるでしょう。

このように正確なパワー・データがわかれば、その人がどの程度の実力があり、自分との差がどの程度あるかをかなり正確に客観的に把握できます。こういった情報交換のしやすさはパワー・トレーニングをする大きなメリットのひとつといえます。

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